2017年05月24日

どや、悪いようにはせんかったやろ?――オイオイの言葉というよりオイオイの村上春樹

 川上未映子が訊いて村上春樹が応えるインタビュー本『みみずくは黄昏に飛びたつ』を読みました。
村上春樹の『騎士団長殺し』の制作の様子や自作への態度(昔の作品のディテールを完全に忘れている!)など、なかなか興味深く読めました。
が、中でも面白かったのは、読者と作者の間はある種の「信用取引」で成り立っているという考え方の表現。
川上が「ほら、悪いようにはしなかっただろう」と表現したのを受けて村上がわざわざ関西弁に言い直す。

どや、悪いようにはせんかったやろ?

なんだかドキッとしました。
ご自分でも「生々しくなる」と言っておられます。
なんとなく河合隼雄の匂いも感じられます。

 と同時に、村上春樹って、関西人だったということに改めて気が付きました。
尋ねる川上も関西人、両方とも神戸あたりの出身なんだから、あっさり神戸弁でのインタビュー本にすれば劇的に面白いのに・・・と思ったのは私だけではないでしょう。

 この本の中で、地下二階の集合的無意識というのが何回か話題になっていましたが、村上春樹に個人的集合的無意識という矛盾した領域があるとすれば、そこには神戸弁がうずまいとるかもしれんなー・・・と思ったりもしました。
地下一階の近代的自我の葛藤よりも、地下二階の集合的無意識から物語が生成するというのも、ひょっとして関西的なんかもしれん。
東京弁というのは、近代的自我の悩みを語る言葉でありますが、関西弁はそんないちびったことは邪魔臭いとさっさと素通りして、おもろいところだけではなしつくるからなぁ・・・
posted by CKP at 13:25| Comment(0) | 雑想・戯言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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