2013年04月29日

哲学だってジャケ買い――村上春樹と鷲田清一

 今かかりっきりになっている仕事がひと段落ついたら、安心したのかのどが痛くなって熱が出てきた。
この連休は、日曜以外は寝ることに決めた。
が、土曜の早朝、電話がなる。
いやな予感――若い娘さんが、原因不明の心臓麻痺で亡くなったとのこと。
(ホント、予兆も何もなく、血管も正常なのに心臓が止まったのですと)
ということでこの4月、4つめのお葬式。
ホントにみんな何をそんなに死に急いでいるのでしょう?
で、今日はお葬式勤めて、そのあとはバク睡・・・と思ったら、この間「誤爆」してしまった叔父さんが
「今度はちゃんと息ひきとりました」
と電話がかかる。

 こんなときもあります。
 たしか、村上春樹の『中国行きのスロウボート』にそんな短編小説があったと思う。

 というわけで、鷲田清一先生の新刊『〈ひと〉の現象学』がなかなか読み始められない。
パステルカラーの水玉模様が楽しく踊る表紙を、ただただぼんやりと眺めるだけ。

 で、ボーっと眺めて、
「はて、このようなカラフルな表紙を最近どこかでみたなぁ・・・」
とゴチャゴチャになっている頭の中の記憶を辿る。

 すると、なんと村上春樹の100万部突破本『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』の表紙の配色と似ていることに気が付いた。
こちらは、水玉模様ではなく、何だろう?
どうも西洋ローソクみたいな感じ。
買う機会を逃したので『色彩を持たない・・・』はまだ買っていない。
100万部突破してしまうと、よけい買いにくい・・
たしか、パステルカラーの細長いローソクが仲良く少しだけでこぼこになりながら背比べするように整列してたように思う。

 いまどき、このお二人がカラフルなモノがいくつか並ぶ表紙の本を出すというのは何か意味がるのだろうか?
このお二人に共通するのは、このお二人とも過去に安原顕という伝説的編集者と関わったということだけれども、このヤスケンと村上春樹にはややこしい問題があるから、その角度からは考えるのは、私には無理。
ただ、ボーっと表紙を見比べてあれこれ考えるだけ。

 お二人ともグローバリズムという世界を一色に染め上げる世の中の動きに抵抗しているのだろうか。
というか、作品を読んだデザイナーがそう感じたのだろうか?
しかし、カラフルな水玉とローソクが並ぶということでは、それぞれ同じモノが並んでいるだけともいえる。
同じだけど、それぞれ違うということなのだろうか?
違うけど、同じということなのだろうか。

 そういえば、『色彩を持たない・・・』のキャッチ・コピーは「良いニュースと悪いニュースがある」であった。
これをまねて鷲田本のコピーを作ると「良いじぶんとわるいじぶんがある」とか「良い〈ひと〉と悪い〈ひと〉がある」なんてことになるかも。

 と、表紙だけでもあれこれ考えられるので、両方とも楽しい本だと思います。
レコードをジャケットのカッコ良さだけで買うように、哲学書や文芸書もジャケ買いしてもいいと思う。
posted by CKP at 20:46| Comment(4) | TrackBack(0) | 雑想・戯言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月22日

選択できない――CKP“誤爆”殺人事件

 4月に入って、お葬式が3つも続いてしまった。
うちのような小さな寺では年間に平均で6〜7件のお葬式だが、それが3週間で3つ続くというのはめったにないこと(お葬式ゼロの年が、この20年間で3回もある)。
なんとか工夫して授業に“穴”をあけないようにしていたが、先週の木曜日はついに休講ということになってしまった。
すみませんでした。

 で、どっと疲れていたら、「こんどはもうダメかも」と入院している叔父の病室に泊まり込んでいる叔母から電話。
「もう、息・・息・・」
涙ぐんでいてよく聞き取れない。
「息をひきとったの?」
「大阪や東京(の叔母)に連絡して」
と言われたので、大阪や京都の叔母、そして私の二人の姉、そして叔父の飲み友達のタニグチさんに「叔父が今、息を引き取った」と連絡。
そして、叔父の息子、つまり私の従兄弟に遺体は病院からいつ戻るのかをケータイで尋ねる。
「ああ、お騒がせしています。今、持ち直して呼吸が少し弱いけど、あとは正常です」
ゲッ!死んでいない!
慌てて連絡した5箇所に「死んでなかった」と誤報訂正お詫びの電話。

 まだ死んでない叔父を「殺して」しまった罪の意識もあったので、ともかく20キロ離れた病院に見舞う。
「今晩がヤマ?」
と従兄弟に尋ねると
「そういうことでもないらしい。が、呼吸が弱いのでいつ何どきか分からない。その時はよろしく」。

 それから三日経ちましたが、未だ悲報は届いていない。

 死ぬ日時というのは、本人もまわりも人間も選択できんものであります。

 ときたま、お葬式を「予約」してくる人がいる。
「親父が、あと二,三日やと言われましたんで、その時にはよろしく」
こう言われると、坊さんとしては、「待機」しないわけにはいかない。
しかし、その「二、三日」が過ぎても何も言ってこない。
一週間が過ぎても音沙汰ない。
ひと月過ぎたころ、たまりかねて「どうなったの?」と尋ねる。
「いあや、あれから持ち直して今は元気です。どうもスンマヘン」

 が、死の時期が予測できないということは、それはそれでありがたいことではあります。
posted by CKP at 12:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑想・戯言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月10日

じぇじぇじぇ!――津村記久子さん、川端康成文学賞!

 大谷大学出身の津村記久子さんが、「給水塔と亀」という短編小説で川端康成文学賞を受賞することに決定したそうです。
おめでとうございます。
これで津村さん、太宰、芥川、川端と短編の名手の文学賞を受賞したことになります。
posted by CKP at 14:26| Comment(1) | TrackBack(0) | 雑想・戯言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月08日

「だいたいさぁ」「~であろう」「じぇじぇじぇ」――近頃のわたしのお気に入り

 お久しぶりです、CKPです。
 3月中に仕上げようと思っていた仕事がまだ終わらず、とても新学期!という感じになれません。
ということで、近況報告。

最近お気に入りのCMは、松田翔太くんのマンダム・ギャツビー。
オサレ星人に扮した松田君の「だいたいさぁ」というタメ口がなかなかおかしい。
宇宙人ジョーンズ君の「この惑星の住人は・・・」という誠実な地球人観察も良かったが、このオサレ星人も気に入っている。
どこがどういいのかは、いずれじっくり考えたい。
とりあえず、これです。

http://www.gatsby.jp/tv/index.php?channelId=cmcollection

次のお気に入りは、高2の娘が録画したの横で見ていて、くせになってしまった口調「〜であろう」。
『キューティクル探偵因幡』というアニメで、『キル・ビル』と『ゴッド・ファーザー』あわせたような話を『軽井沢シンドローム』みたいなタッチでアニメにしたもの。
この説明ではぜんぜん分らんでしょうね。
おまけに、悪役ドン・ヴァレンティーノというのがヤギ。
それの口癖が「〜であろう」。
天才バカボンのパパの「〜なのだ」と同じように、感染するとけっこううるさくアタマの中で反復されるので往生している。

そして、「じぇじぇじぇ」。
はい、朝ドラの『あまちゃん』。
小泉今日子に宮本信子、渡辺えりに木野花、それに荒川良々、何しろ脚本があの『タイガー&ドラゴン』のクドカンこと宮藤官九郎。
そのうえ制作に名を連ねるのが訓覇(くるべ)くん。じぇじぇ!であります。
うちの哲学科の名誉教授のご子息さまです。

前回の朝ドラは、テンポが速くおじさんにはきつかったけど、今度は楽しめそう。
しかし、ジェジェジェな展開もありそうで楽しみです。

が、はやいこと仕事を仕上げねば!
そのうち、じぇじぇじぇということをご報告できるかも知れません。
posted by CKP at 17:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑想・戯言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする