わたくしカドワキの最終講義のご案内が告知されてしまいました。
「最終講義」って言うのは、その人の学問の集大成というのがふつうですけど、そんな立派なお話はできそうもありません。
「想えば」の部分がほとんどの与太話になりそうな気がします。
そうなっても怒らないでくださいね。
でも、ゼミであんまりきちんと指導しなかったから、どれだけの卒業生が来てくれるのか心配です。
閑古鳥が激しく泣いている教室が思い浮かびます。
卒業生でなくても、ちょっと覗いてみてくださいね。
鷲田清一先生も「その日だったら行くよ」と言ってくださっていますので、わっしーのご尊顔を拝見するというのでもいいから来てください。
しかし、Pilz先生が特殊技術で書き込んでくださった上の告知、来月の22日までは追い抜けないみたいです。
なんだか亀を追いかけるアキレスのような気分ですな。
という訳で、去年聴いたCD案内ですが・・・
この頃はもう新譜を聴くことがほとんどなくなりました。
その新譜も、お年寄りばかり。
まずは『105歳の現役ピアニスト、コレット・マズ』というCD。
一瞬キワモノかと思いましたが、評判が良いので聴いてみました。
ドビッシーやサティをゆったりと、しかし確かなテンポで弾いています。
決して「味わいで勝負」という弾き方ではありません。
妙に情緒過多になることなく、さらっと弾いているのですが、なんとも心地よい。
サティなんかは、今まで聴いたどのピアニストよりもしっくりきました。
サティやドビッシーと同時代人とまで言えないようですが、そのころの雰囲気を幾分か伝えてくれているような気がします。
次は、たしか70歳を越えたブルース・スプリングスティーンの『ウェスタン・スターズ』というアルバム。
Eストリート・バンド抜きの、それもウェスタンを唄うスプリングスティーンというのでちょっと躊躇しましたが、ジャケットがかっこいいのでLPレコードで買いました。
これが、淡々としていて年相応というのはこういうことか、というアルバム。
どこかNHKの「72時間」を思わせるような、いろんな人生が唄われていて、ちょっとしんみりしながら聴いています。
そして、柳家小三治師匠の朝日名人会ライブシリーズ。
『あのひととっても困るのよ』は以前ご紹介しましたが、落語では『青菜/鰻の幇間』をよく聴いています。
これを、この間「折々のことば」で紹介されていた『どこからお話しましょうか 柳家小三治自伝』を合わせて聴くと、面白さが一段とアップましたよ。
後は、もうほとんど古レコード。
昨年は、懐かしい懐かしいボレンボイムが弾くモーツァルトの17番のピアノ協奏曲のオリジナル盤を、京都は四条烏丸のラ・ヴォーチェで手に入れることが出来ました。
中学生か高校生の時、吉田秀和さんのラジオ番組で聴いたレコード。
何故17番の協奏曲が好きだったのかすっかり忘れていましたが、このレコードをお店で手にしたとき吉田さんの「では、ダニエル・バーレンボイムの演奏で・・・」という声を思い出しました。
というわけで、「私の私の耳わー、後ろ向き」なのでした(もちろん「わたしのわたしの彼わー、チャッチャッ、左利き」を踏まえています)。